お金・相続

行政書士は、暮らしに一番身近な法律専門家
二人三脚で、より豊かな人生を。

人生100歳時代。折り返し地点の50代は
終活をスタートさせる適齢期です

おかむら行政書士の事務所 代表行政書士 岡村奈七江さん

●終活に対する意識が高まってきていますね。

 「終活」という言葉が浸透し、最近では広島でもかなり関心が高まっているように感じます。終活をテーマにしたセミナーに私も講師として参加させていただく機会が多いのですが、以前と比べ参加者の皆さんがとても熱心に耳を傾けていただいているのがわかります。
 広島県でも65歳以上の高齢者の割合が4人に1人を超える時代になりました。今後はさらに「超・高齢社会」へと進んでいきます。これからの人生をより良く生きるためにも、将来への不安を一つ一つ解消しながら、自分の修め方『終活』について一緒に考えていければと思っています。

 行政書士として独立する前は、28年間地方公務員として県民の方を対象とした公的サービスや制度づくりにも携わってきました。普段の生活がより安心・便利になればとの思いだったのですが、行政書士となった今、それらサービスや制度が有効に活用されていない現状を目の当たりにしています。ようやく相談に来られた場合でもタイミング的に遅く、選択肢が少なくなってしまっているケースも少なくありません。これから終活を始めようと思われている方にとって、相続、遺言、税金、保険、お墓などに関する制度や法律をよく知り、うまく活用することが大切です。私たち行政書士は、一番身近な街の法律専門家として、相談者の方一人一人に寄り添いながら、悩みごとやトラブルをいち早く解決できるよう全力でサポートしたいと考えています。


人生100歳時代。50代は終活スタートの適齢期。身近な法律専門家として行政書士は心強いパートナーだ。

●行政書士の方には、どんなことをお願いできるのでしょうか。

 行政書士は、みなさんから依頼を受けて、役所(行政)に提出する書類の作成や手続きの代理を行っています。「相続」を例に具体的な内容を説明しましょう。
 相続は、被相続人の死亡により手続きが開始します。死亡後7日以内に死亡届を提出し、遺言書の有無の確認、相続人の確定と相続財産の内容把握、相続放棄・限定承認の申述を3カ月以内に。そして遺言があれば遺言執行。なければ法定相続人による遺産分割協議、相続税の申告を10か月以内で終わらせるなど、短期間で行わなければいけない手続きが山積です。
 戸籍を調べると今まで交流のなかった相続人が出てくるケースも多々あり、相続人の確定だけでも相応の時間が必要です。限られた期間内にしなければいけない手続きが多く、何から手をつけていいのかわからなくなってしまわれる方も多く見受けられます。そこで、手続きに必要な書類の作成はもちろん、相続人の確定や今まで知らなかった故人の財産を見つけるアドバイスなど、相続人の立場に立ったトータル的なサポートをさせていただいくのが私の役割です。

●遺言書は作成しておく方がいいのでしょうか

 遺言の最大のメリットは、渡したい人に円満に、スムーズに渡すことができる手段だということです。うちは本当に相続で揉めないのでしょうか。もしも争族になったら、調停や裁判になると費用や時間がかかります。何より家族関係が壊れます。争族は決して他人事ではないのです。
 遺言が特に必要な場合として、
 ・夫婦の間に子供がいない場合
 ・再婚をしたが、先妻に子供がいる場合
 ・内縁の場合
 ・相続人同士が不仲な場合
 ・相続人がいない場合
などが挙げられます。遺言書を作成された依頼主さまからは、必ず「お願いして良かった」と心から言っていただけます。
 あわせて、遺言書の作成時に私が心掛けるのは、相談者の当初のご希望をそのまま書面にするのではなく、後々起こりうること、例えば遺留分や次の相続を想定しながら遺言の中身をまとめていくようアドバイスすることです。
 例えば、ゆくゆくは長男が引き継いでいくのだからと、奥さまではなく「長男に全ての財産を譲る」としてしまった場合、自分が亡き後、兄弟の仲が悪くなったり、残された奥さまが生活の基盤をなくされるかもしれません。残った家族が不幸になっては本末転倒ですので、十分考え抜いた上で遺言を残すことが一番です。
 50代は人生のちょうど折り返し地点。終活をスタートさせる適齢期だと思います。自分の人生を振り返り、今後の生き方、修め方を考えるのは人生をより豊かに充実したものにしていくことにもつながります。その時々で見直しもできますので、始められるところから手を付けてみられてはいかがでしょうか。