葬祭

お布施について教えてください。

亡くなってからバタバタしているときに説明を受けて、「もうちょっと決め方があったかもしれないけど仕方なかった。」とならないように、事前に知識を得て、後悔の無いお葬式をしていただきたいと思います。

■アドバイザー:広島セレモニー 代表取締役社長 塩田 ひとしさん

お布施はいくら位お包みしたら良いでしょうか?

宗教家の側から見れば、名宗教家であればあるほど、お布施の額を問題にしないと思います。それでお経の値打ちとか、効き具合を計るものではありません。多く包める人は包むでしょうし、包む方も経済的な状況は様々です。あまり包まずに有難いものを頂きたいという気持ちの人もいるでしょうし、これだけ有難いものを頂いたのだから、この位は包まないと気持ちが済まないという人もいらっしゃるでしょう。自分のもっている財産をすべてお渡しようという方もいらっしゃると思います。そのなかで、どういった考え方をするかは、個々の判断というところです。葬儀の司式者である宗教家と施主であるご当家の問題ですから、葬儀業というサービス業をビジネスとしている私たちはそこに介在は出来ないと思います。その間に入って私たちが「いくら位、お支払いすれば良いです」とか、「いくら位頂いて来たら良いですか」というメッセンジャーになってはいけないと思います。ただし、お聞きしにくいので代わりに聞いてくれませんかという場合は、「聞いて来てくれと言われていますが・・・」という風にお寺様にお伝えするようにしています。

お布施をお渡しするタイミングはいつが良いですか?

本来は通夜、葬儀が終わった時にその都度、お礼を言ってお渡しすると良いと思います。ただし、ご当家もご親族も平静では無い時ですから、式の30分位前にお寺様の居宅を訪ねてあらかじめお渡しする、あるいは寺院様が来られたときに事前にお渡しするということをお薦めすることもあります。ただ本来は枕教、通夜、葬儀が終わったときにその都度お渡しするのが良いと思います。表書きは全てお布施で良いと思います。

御車代・御膳料は必要ですか?

昔は駕篭でも使って迎えにいったのか、あるいは人力車で迎えにいったのか、御車代はそんなことの名残かもしれません。それから昔はお葬式が終わった後、お寺様も一緒にみんなで仕上げの食事をしていました。最近ではお寺様も廻りに気を使わせても悪いということで、先にお帰りになられる様になったときに、お膳を持ち帰っていただいていたのが、この頃ではそれもなくなって、その名残で御膳料をお包みするようになったのだと思います。それが、よそ様が包んだのだからうちも包まないと顔が立たないという様なことで慣例化したのだと思います。ですから御車代も御膳料を別に包まず、お布施としてまとめてお渡ししてもおかしくないと思います。

取材協力:広島セレモニー